大学生が見た農業の最前線

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【連載】 日本農業経営大学校 学生レポート

このコーナーでは、日本農業経営大学校の学生さんがレポーターとなり、様々な農業現場を発信します。
今回のレポーターは、2年生の竹中君。観光農園や6次産業化に興味がある竹中君は、それを実践する若手農業経営者のもとを訪れ、メリット・デメリットなど経営の実情について教わりました。


若手農業経営者に学ぶ! ~観光農園&6次産業化~

今回の視察では、埼玉県さいたま市緑区でイチゴの生産販売や観光農園を手がけている「美園いちごランド」を訪れた。同園では、イチゴの栽培は現在の主流となっている高設栽培システムを導入し、70aの圃場で栽培している。いちご狩りに来られる方は年間約22,000人で、多い日には1日で700人が来場することもある。今回はそんな美園いちごランドの代表である岡田徹さんに、農園の特徴、農業経営のポイント、6次産業化、等々ざっくばらんにお話を伺った。

△ 右より、岡田さん、竹中君、鈴木君、木下君、霍田君。

美園いちごランドについて

 美園いちごランドがある埼玉県さいたま市(旧浦和市)は植木の産地で、岡田さんの家も植木や切り花を生産する農家だった。農業を継ごうと決めて大学に進学したものの、自家の植木を栽培することよりも何か違う作物を生産したいと考え、当時は日本の中でも特定の産地でしか生産されていなかったイチゴに注目し、栽培について学び始めた。そして大学卒業後、すぐにイチゴハウスの建設と高設ベンチの工事を進め、就農2年目からは10aの面積でイチゴの栽培をスタートさせた。
 当初は同園の認知度もなく、販売に苦労することもあったが、丁寧な接客と確かな食味で年を追うごとに固定客がついた。現在の経営面積は開園当初から7倍に増えたが、市場に出荷することなく、全て観光農園での摘み取りや贈答品などの形で直販している。
 一般的に、市場出荷をせず直販で安定した収入を得ることは非常に難しいと言われているが、同園では農場の様子などをSNS等で発信することで期待感を向上させ、実際に農園に訪れた際には満足度を向上させるための仕掛けを作るなど、日々の小さな出来事を積み上げることでお客様の獲得およびリピートにつなげていた。

農園でのホスピタリティ

 近年のイチゴ狩りでは高設栽培が主流だが、その栽培ベンチの間隔は農園によってそれぞれだ。間隔を狭くすれば多少歩きにくくなるが生産量を増やすことができ、より多くのお客様に楽しんでいただくことが出来る。逆に間隔を広くすれば、生産量は下がるが歩きやすくなる。
 同園では後者を選んでおり、敢えて間隔を広くしている。具体的には、通常100㎝と言われる通路幅だが一番広いところで130㎝もある。これだけ広い通路があればベビーカーや車椅子でも容易に入ることができる。これから高齢化社会に向けて、多様な人々を受け入れる環境は大事だと感じた。特に観光農園のようなサービスを提供していく上では、顧客満足度を高めて農園のファンになってもらうことが大切だと思うので、こういった取り組みは非常に学びになった。

△ 広い通路が確保されている。

観光農園の最新設備

 そして一番驚いたのが、農園でありながら「Airレジ」というPOSレジが導入されていたことだ。「Airレジ」はタブレットを用いて会計や在庫管理、売上分析などを行うことができ、新たな販促活動をする際のマーケティングに活かすことができる。また、会計ソフトと連動することで、煩わしかった申告に伴う会計処理等の作業も簡略化されることに繋がり、業務の効率化に役立っている。
 そうしたIT機器の導入により労力の軽減が可能になるので、費用対効果を考えながら導入することが重要だと再認識した。そして日頃から、農業以外の新しい情報も積極的に入手していくことも大切だと感じた。

まとめ

 今回の視察を通じて、直販や観光農園を運営していく難しさを感じた一方、消費者との直接的なつながりや農園のファンをつくることへの魅力を感じた。自分が作ったものを食べたいと思ってもらえることは農家にとってはこれ以上ない喜びだと思うので、挑戦していきたいと思った。


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